2019年3月16日、ダカラコソクリエイト主催のセミナー「AYA世代のがん あしたのためにできること」に参加しました。
セミナーは2部構成で、前半は聴講、後半は意見交流会でした。今回は意見交流会で話題になった就労問題と恋愛について、内容の一部をお伝えしようと思います。
【がん患者の悩み】AYA世代の就労と恋愛事情
いくつかのグループに分かれて意見を出し合う交流会。私たちのグループでは治療後の働き方が話題になりました。
治療後の働き方
- 2カ月間の休職後、元のポジションで職場復帰
- 復職後はパート勤務に変えてもらうと同時に配置換えを希望
- 休職期間が1年を超え、仕事のモチベーションが下がった状態で悩み中
私の場合は5カ月の休職期間後、元の職場に復帰。しかし半年後に退職し、現在は異業種でパート勤務として働いています。
退職の理由は、ストレスのない生活を求めた結果でした。当時正社員で10年間勤めていたのですが、ストレスを感じることが多く、このまま同じ生活を続けていれば、近い将来再発・転移するだろうと。
自分の身を守るために、新しい環境が必要だったのです。
がんになったことで、職を失い社会とのつながりが途切れてしまうケースもあります。がんサバイバーに寄り添った社会が待ち望まれます。
がん患者の恋愛事情
次のグループではがんになってからの恋愛について意見を出し合いました。
- 10年以上付き合った相手とがんになってから別れた
- 周囲から高年齢の男性を見つけるようアドバイスされた
- マッチングアプリで出会いを求め活動中
など、さまざまな話を聞くことができました。その中で恋愛対象の相手にがんであることをどのタイミングで伝えたらいいのか、意見を求める声が。
この質問については「お付き合いを始める前に伝えたほうがいいのでは」という意見が多数でした。
またがん患者になってから恋愛観が変わったことを伝えた人も。
がんになる前はバツイチ男性という選択肢はノー。それが抗がん剤治療の影響で妊娠の可能性が低くなったことで、自分には子どもがいるバツイチ男性がいいのではないかと思うように。
サバイバーの中には子どもを授かれないことに、引け目を感じる女性がいるのです。
また以前のように、積極的に相手を見つけることができない、という声も聞きました。がんになったことで、結婚、そして恋愛さえもあきらめてしまうケースもあります。
AYA世代に目を向けよう
2人に1人ががんになる時代ですが、AYA世代で経験した場合、描いていた将来が大きく変わってしまうことがあります。結婚、出産、独身サバイバーなら一度は諦めた経験があるのではないでしょうか。
そして一番深刻なのは、10代のサバイバー。同じ境遇の仲間を見つけることが難しく、孤独になりがちです。
今後はSNSを使ってAYA世代に必要な情報を提供し、ささやかですがサポートできたらと思います。