病気やケガで仕事を長期間休む場合、健康保険からの傷病手当金を検討する前に確認してほしいことがあります。それは消滅した有給(保存休暇)の存在です。
私はがんになり5ヶ月間、仕事を休みました。その間、保存休暇と傷病手当金を申請することで入院中、お金の不安を感じることなく治療に集中できました。
傷病手当金の前に確認しておきたい制度
仕事を長期に休む場合、まず最初に思い浮かぶ制度は傷病手当金だと思います。しかし傷病手当金を検討する前に、病気療養のための会社の制度を確認してみてください。
実は半数以上の企業が何らかの制度を導入しているのです。主なものは
- 保存休暇、または積立保存休暇
- 失効年休積立制度
- 病気休暇
まずは、これらをひとつずつ確認していきましょう。
保存休暇、失効年休積立制度とは
注意点は、法律で特に定められているのではなく、就業規則等に定めることで、会社の事情に合わせて設定されるもので、保存できる最大日数が決められている場合もあります。
導入している企業は2012年の調査では全体の23.4%となっています。
病気休暇とは
取得できる要件や期間は、労使の協議あるいは休暇を与える使用者が決定します。
もし、これらの制度が導入されていなかった場合は傷病手当金を申請してください。
傷病手当金とは(非課税)
会社員の場合、会社を通して健康保険に加入していると思います。健康保険に加入すると、毎月の給与から保険料が天引きされ、3割負担で病院にかかることができます。
普段は歯医者や通院のための保険というイメージが強いですが長期間、仕事を休まなければいけない場合、所得の補償をしてくれるのが「傷病手当金」です。
保存休暇と傷病手当金【経験談】
私が勤めていた会社の場合、労働組合からの働きかけによって保存休暇が成立しました。そして過去にこの制度を使って入院治療をした社員がいたおかげで、遠慮なく使うことができました。
ただ当時、保存休暇や失効年休積立制度という言葉はなく、上司から「消滅した有給を使うことができる」と伝えられ、訳がわからないままうなずいたのを覚えています。
しかもありがたいことに、8年間で未消化だった有給をすべて使うことができたのです。その日数は88日。
従業員30人程度の小さな会社でしたが、上司と組合に助けられました。
最後に、
有給休暇を使うときの注意点
病気の場合、治療が終わっても病院との付き合いは続きます。通院は平日の場合が多く、仕事を休む時に有給が必要になります。ですので、次年度になるまでの有給は確保しておくのが無難です。