病院への不信感から手術をキャンセル、転院した話

病院に不信感…転院した話

がんサバイバーのまりも(@suisui_marimo)です。
私は過去に二度、手術をキャンセルした経験があります。

今回は私が手術をキャンセルした出来事を通して、病院に対する違和感、医師との意見のズレを解消する方法をお伝えしようと思います。

病院への不信感から手術をキャンセル、転院

私は過去に二度、手術をキャンセルした経験があります。一度目は最初の治療の際(2013年)、二度目は腺様嚢胞癌が肺に転移したとき(2016年)
特に二度目のキャンセルはメンタルがボロボロになるまで悩んだ末の結果でした。

すでに二年前の出来事なのですが、今でも当時のブログを読み返すことが苦痛なほど、苦い思い出となっています。

病院選び、医師との関係はがんの種類を問わずに、誰もが経験する悩みなのでしょう。

では二度目の手術をキャンセルした経緯をひとつずつ振り返ってみようと思います。

病院内の連携が取れていない

肺転移の胸腔鏡手術を受けるにあたり、不破先生方から地元での治療を勧められました。

悩んだ末、選んだ病院は、がん告知を受けた地元の病院。理由は呼吸器外科があったことと、2年半通院し、今までの治療経過がカルテに残っていることが利点だと考えたからです。

そしてがんを見つけてくれた医師(口腔外科医)が在籍する病院で治療をすることは、精神的に安心できると感じたことも理由のひとつです。

後日、福井での検査結果(CT)が届いていることを確認してから、口腔外科医を通して呼吸器外科の予約を取りました。

しかし、福井の情報を呼吸器外科が把握しておらず、初診日にCTの予約が入っていたのです。

看護師の説明不足、事務員の計算ミス

呼吸器外科を受診すると、PET-CT検査を受けることになりました。しかし当日の絶食の件など全く説明がありません。

不安になり、口腔外科医に尋ねてみると、やはり5時間前から絶食とのこと。

今までの経験から、PET検査を受ける前には、必ず注意事項等が記載された説明書をもらうのに、この病院には存在しないのか?もしくは看護師が忘れていたのか?不安な気持ちが徐々に重なっていきました。

そして診察後、胸部X線検査、心電図、血液検査、尿検査等を受けたのですが、お会計が28,000円。

明らかにおかしいと思ったので、計算係に戻り確認してみると「コンピュータ断層診断(他院)」の点数が4500。正しくは450の間違いだったことが発覚。

訂正された金額は15,000円。私が過去に術前検査を経験していなければ、金額の間違いに気づかずに28,000円を支払っていたことでしょう。

治療計画と入院日数

私は不破先生から今回の治療にあたり、PET検査は必要ないと聞いていました。そして気管支鏡検査についても、気管支鏡が届かないところに腫瘍があるので検査しないと聞いていたのですが、呼吸器外科医はPET、気管支鏡検査も実施するとのこと。必要ないといわれていた検査が次々と予約され、困惑。

しまいには検査入院からという話になり、入院日数は2〜3週間と伝えられました。
福井での話は、胸腔鏡手術は7〜10日間の入院と聞かされていたのに、話が違うことにますます不安を感じてしまいました。

半年後に福井で胸腔鏡手術をした際、PET、気管支鏡検査は実施されず、術後7日目で退院しました。

病院に対する不信感、医師との意見のズレを解消する方法

不安を訴え、信頼できる医師に相談すること

地元の病院で手術を受けることへ不安を感じた私は、福井の病院へ電話を入れました。
そしてPET検査が必要になったこと、PETを受けるなら福井でお願いしたいことを伝えると、快く不破先生が来院される日に予約を取ってくださいました。

検査当日、まずは呼吸器外科を受診した日の出来事を話します。
呼吸器外科医が腺様嚢胞癌の知識がないことで、余計な検査をさせられるのでは?という不安について尋ねてみました。

不破先生は「腺様嚢胞癌は非常に珍しい癌で、口腔外科の医師でも、医師生活の中で一人出会うかどうかというほど患者は少ない。だから呼吸器外科の名医であろうが、この癌を知っている医師は、まずいないと思ってください」

そして「呼吸器外科医に癌の知識を求めるのは諦めなさい。そして気管支鏡検査はルーティンなので受けざるを得ない。ただ、地元の病院に対して不信感を持っているようなら、福井の呼吸器外科を受診するのもいいと思う。もしくは腕のよい呼吸器外科医を紹介して欲しいというなら、紹介することもできる」と言われました。

ただこの時の私は、病院に対する不安から情緒不安定になり、眠れない、眠れても早朝に目が覚める、いわゆるうつの状態が続いていました。そんな状況を見かねた不破先生は、PET検査の1回目が終了した時点で検査室にやってきました。

そして「画像を見たけれど、前回と変わりないからもう少し経過を見ましょう。気管支鏡検査や手術は延期してもらうよう、福井の先生に手紙を書いてもらいます。次は2ヶ月後にCTを撮りましょう」といい、病院を去られました。

信頼できる医師が手紙を書いてくれた

今回、信頼できる先生方に相談した結果、地元の病院宛にPET検査の報告と、手術延期の提示をしてくださいました。そうです、患者が手術を断ることは、並大抵ではないことを察して、先生方が助け舟をだしてくださったのです。

この件を通して、不破先生と福井の陽子線センターとの信頼関係が深くなったのはいうまでもありません。そしてこれ以降、私の主治医は不破先生と陽子線の先生だと、はっきり意識を変えたときでもありました。

手術を断る、白紙にもどす勇気

手術を断ることは、紹介してくださった口腔外科医の顔に泥を塗る行為。当時の私は気持ちにうそをつき、このまま手術をするしかないと自分に言い聞かせていました。誰のための治療なのか、完全に見失っていたと思います。

後日、PET検査のデータとともに、福井からの手紙を渡す際、呼吸器外科医と上手く話せる自信がなく、地域連携室の看護師に同席してもらうことで受診まで進むことができました。

そして手術を断ってから、ようやく気持ちが落ち着き、うつの状態から脱出することができました。

今振り返ってみると、がん治療の前にうつ状態を回復させることが第一だと、不破先生方は判断されたのだと思います。

病院を転院することは悪いことではありません。治療計画に納得ができなければ、白紙に戻すことも大切です。

治療は安心できる病院、信頼できる医師のもとでお願いしましょう。

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